5.5. XAS データの特別なプロット

5.5.1. 選択中データに対する特別なプロット

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図 5.14 データの特徴を可視化するために,他のプロット機能と共にいくつかの特別なプロット機能が備わっています.以下で説明するプロット機能はすべて Plot メニューからアクセスすることができます.

四連プロットt

四連プロットは,データが最初に読み込まれたときにデフォルトで表示されるプロットです. 現在の一連の処理パラメータを使って,データをエネルギー,k,R,そして逆フーリエ変換された k に対するプロットを1つのウィンドウに表示させることができます.このプロットは,kq ボタンを rightclick 右クリックすることでも表示できます.

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図 5.15 鉄箔の四連プロット

規格化されたデータと微分

このプロット形式は,規格化された μ(E) スペクトルをその微分と共に表示させることができます.微分スペクトルは規格化されたデータに対してうまく見えるように適当にスケールされて表示されます.

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図 5.16 鉄箔の規格化されたスペクトルとその微分

Data + I0 + signal

以下のように I0 を μ(E) とシグナルに対してプロットすることができます.I0 とシグナルは プロジェクトファイル にも合わせて保存されます.以下の例では,塩化金の μ(E) をシグナルと I0 に合わせて表示しています.このプロットは,E ボタンを右クリックすることでも表示できます.(規格化スペクトルと微分のプロットは,環境設定♦Athena→right_single_e を変更することで,右クリックでの動作を変更することができます.

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図 5.17 塩化金の mu(E) をシグナル,I0 とともに表示

k123 プロット

k123 プロットは χ(k) スペクトルに対する k の重み付けの効果を可視化する方法の1つです.k1 で重み付けされたスペクトルは k2 で重み付けされたスペクトルと同じ大きさになるように適当にスケールされます.同様に,k3 で重み付けされたスペクトルについても適当にスケールダウンされます.このプロットは,k ボタンを rightclick 右クリックすることでも表示できます.

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図 5.18 鉄箔の k123 プロット

R123 プロット

R123 プロットは χ(R) スペクトルに対する k の重み付けの効果を可視化する方法の1つです.k の重み付けとして 1, 2, 3 を使ったフーリエ変換後のスペクトルが表示されます.k1 で重み付けされたスペクトルは k2 で重み付けされたフーリエ変換後のスペクトルと同じ大きさになるように適当にスケールされます.同様に,k3 で重み付けされたスペクトルについても適当にスケールダウンされます.プロットする際には R タブにおける現在の設定が適用されます.この図では,magnitude が選択されています.このプロットは,R ボタンを rightclick 右クリックすることでも表示できます.

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図 5.19 鉄箔の R123 プロット

5.5.2. マークされたデータに関する特別なプロット

Plot ‣ Marked groups サブメニューでは,マーク された一連のデータに関連した2つの特別なプロット機能を提供しています.

双四連プロット (Bi-Quad plot)

この特別なプロットは,上述の四連プロットのようなものですが,2つのマークされたグループを比較するために利用されます.このプロットを書くには,2つの – そして2つだけの – グループをリストから選択する必要があります.このプロットは,q ボタンを rightclick 右クリックすることでも表示できます.

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図 5.20 2つのマークされたスペクトルを比較するための四連プロット

Plot with E0 at 0

この特別なプロットは,異なる吸収端で測定された μ(E) スペクトルを可視化するために利用されます.以下の例はでは,Cu と Fe のそれぞれのスペクトルについて,E0 がエネルギー軸の 0 になるようにシフトされています.

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図 5.21 鉄箔と銅箔の E0 を 0 にそろえてプロット

マークされたグループの I0 のプロット

このプロットでは,マークされた一連のデータの I0 が表示されます.このプロットは,E ボタンを rightclick 右クリックすることでも表示できます.(他の2つの特別な複数用のプロットは,環境設定♦Athena→right_marked_e を変更することで利用できます.

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図 5.22 マークされた3つのグループの I0 シグナル

エッジジャンプでスケールされたプロット

マークされたグループの規格化された μ(E) をエッジジャンプ量で規格化して,プロットします.平滑化しなければ,これは,プレエッジを引き算した μ(E) と等価です.しかし,吸収端後の領域が平滑化されているので,エッジジャンプの量に応じた振動を示します.

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図 5.23 エッジジャンプでスケールされた規格化データのプロット

5.5.3. マージされたグループに対する特別なプロット

データがマージされた場合,標準偏差のスペクトルが計算され, プロジェクトファイル に保存されます.マージされたデータは,マージに関する節に示されている通り(Fig. 9.7) ,いくつかのおもしろい方法で,その標準偏差を含めてプロットすることができます.

Merge + standard deviation

このプロットでは,マージされたデータが標準偏差と共にプロットされます.マージされたデータから標準偏差が加算および減算されています.このプロットはデフォルトではマージされた際に表示されます.この動作は 環境設定♦Athena→merge_plot によって制御されています.

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図 5.24 水酸化金のマージされたデータとその標準偏差のプロット

Merge + variance

このプロットでは,標準偏差スペクトルが直接プロットされます.標準偏差はマージされたデータに対して適当にスケールされます.このプロット方法のポイントは,エネルギーに対して,マージされたデータのばらつきがどの程度であるかをみるということです.

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図 5.25 マージされた鉄箔データとその分散

5.5.4. 位相補正したプロット

phase correction ボタンをクリックすると,データに対するフーリエ変換が中心元素による位相シフトの分だけ補正されます. これは,位相シフトの補正としては不十分です.ATHENA において,中心原子が何なのかはわかっていますが,散乱原子が何なのかということがわかっているとは限りません.

位相について補正されたプロットを行う際には,R 空間において窓関数がいかなる意味でも適切に補正されない,すなわち,窓が中心元素について位相補正された χ(R) にうまく沿いません.

位相シフトの補正は χ(q) に対しても伝播することにも注意して下さい.窓関数は,中心原子について位相補正された χ(q) に対してうまく表示されているように見えますが,元の χ(k) データに対して,位相補正が行われていないため,kq プロットを表示しても余り有益ではないでしょう.

5.5.5. XKCD スタイルのプロット

ATHENA は有名な XKCD comic に似せたスタイルでプロットすることもできます.

この最も重要な機能を使うには,まず,Humor-Sans フォント をダウンロード,インストールする必要があります.

フォントがインストールできれば,Plot ‣ Plot XKCD style をチェックしておくだけです!

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図 5.26 XKCD スタイルのプロットの例




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