5.2. スペクトルの分解能と k の範囲

金属の鉄の1つめと2つめの配位圏は 2.49 と 2.87 Å です.これらの密に並んだ配位圏は χ(k) データをフーリエ変換した際に,かなり重なります.すなわち,鉄箔データはフーリエ変換する k 範囲とスペクトル分解能の関係示すのに使うことができます.

下図には異なる3つの «kmax» を取ったときの鉄箔のデータ示しています.データは 60 K で測定した鉄箔データをコピーしたものであり,同じようにバックグラウンド関数を除去したものです.

«kmax» の値として最も小さな 10 Å -1 を取ると,2つめの配位圏は 2.5 Å あたりに肩ピークとしてしか現れません. «kmax» を 16 Å -1 まで増やすと,肩ピークはよりはっきりしてきます.«kmax» を 22 Å -1,つまり測定範囲全体にしたときにのみ,2つめの配位圏が分離されたピークとして見えるようになります.

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図 5.5 異なる3つの k の範囲でプロットした鉄箔データ




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