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プレスリリース:常温・常圧下での可視光照射で水素放出できる 層状水素化シリカン

2026.01.09

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東京科学大学(Science Tokyo) 物質理工学院 材料系の伊藤裕那大学院生(修士課程1年)、宮内雅浩教授、近畿大学 大学院 総合理工学研究科 物質系工学専攻の中井美緒大学院生(修士課程1年)、近畿大学 理工学部 応用化学科の中野秀之教授、筑波大学 数理物質系 物質工学域の近藤剛弘教授らの研究グループは、層状水素化シリカンが、常温・常圧下、可視光の照射のみで水素を放出できることを発見しました。
水素エネルギーの普及には、水素を安全に貯蔵・運搬できる水素キャリアの開発が求められています。層状水素化シリカン(HSi)は比較的高い質量水素密度を持つ層状物質ですが、従来は電子材料や電池材料としての研究が中心であり、水素キャリアとしての活用は検討されてきませんでした。
研究グループは今回、この層状水素化シリカンから、常温・常圧下での可視光照射だけで水素を取り出せることを明らかにしました。また、微弱な光環境下でも水素放出が可能であることや、常温で遮光して保管すれば水素が放出されないことが確認できました。
本材料は固体状で扱いやすく、従来の高圧水素ボンベのような爆発のリスクがありません。また、一般的な液体水素キャリアと異なり、水素放出に特別な加熱工程が必要ないという長所があります。太陽光や汎用LEDなどの可視光で水素を放出できることから、省エネルギー型の水素キャリアとしての応用が期待されます。
本成果は、2025年12月29日付の「Advanced Optical Materials」誌に掲載されました。

常温・常圧下での可視光照射で水素放出できる層状水素化シリカン.pdf

掲載誌:Advanced Optical Materials
論文タイトル:Visible-Light-Driven Hydrogen Release from Layered Hydrogen Silicane
著者:Hirona Ito, Mio Nakai, Akira Yamaguchi, Shin-ichi Ito, Osamu Oki, Takahiro Kondo, Masahiro Miyauchi *, Hideyuki Nakano *
DOI:10.1002/adom.202502880

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