Welcome to Unofficial Manual for Pilatus XRD at PF's documentation!
準備
ImageJのインストール
ImageJ Web サイト から,ImageJ 最新版をダウンロードしてインストール.(ImageJ bundled with 64-bit Java 1.8.0_172 がおすすめ)
注釈
ImageJ はホームディレクトリ (C:\Users\ユーザー名) にインストールするのがよい.
PILATUS XRD 解析プラグインのインストール
PF BL-15A1のホームページ の [ユーザー向け情報]から PILATUS XRD 解析用プラグインをダウンロードしてインストール.
注釈
BL-15A1_XRD というフォルダごと,例えば,C:\Users\Asakura\ImageJ\plugins\ にインストールする.
ImageJ 一括変換用マクロのインストール
個別にもらった一括変換用マクロ PILATUS_Single_XRD.ijm をインストール.
注釈
例えば,C:\Users\Asakura\ImageJ\macros\
Igor Pro 補正用マクロのインストール
個別にもらった補正用マクロ Correct_TwoTheta_PILATUS_XRD.ipf をインストール.
注釈
例えば,C:\Users\Asakura\Documents\WaveMetrics\Igor Pro 8 User Files\Igor Procedures\
解析
パラメータの設定
ImageJ を起動して,解析プラグインのパラメータを設定する.
今回は以下の画像のパラメータとする.
注釈
Plugins -> BL-15A1 XRD -> Setup PILATUS

警告
各パラメータは実験ごとの変数である.
マクロの起動
Plugins -> Macros -> Edit から,PILATUS_Single_XRD.ijm を開いて,新しく開いたマクロのウィンドウの Macros -> Run Macro

Pilatus の画像ファイルがあるフォルダを選択すると,フォルダの中にあるすべての tiff ファイルが処理される.
注釈
指定したフォルダに tiff ファイル以外があるとエラーが発生するので,削除しておくこと.
処理が完了すると,*_cor_vs2q.txt というファイルが生成される.
注釈
生成される *_cor_vs2q.txt は,負の範囲を含む2θデータだが,正の値だけ使用すること.
警告
エネルギーの誤差,カメラ長の誤差,検出器のあおり角(二次元が垂直に設置されていないことに起因する誤差),ダイレクトビーム位置の誤差等々が含まれていて,角度に対して誤差を与えます.角度の誤差はほぼ線形的な誤差であるため,CeO2 あるいは既に実験室系で測定している試料の XRD パターンを換算することで,2θ(測定値)=A×2θ(文献値)+B という式でおおよそ補正できることがわかっている.(後述)
仮の XRD パターンからピーク位置の見積
実験室の XRD で測定済みの状態の試料について,変換後の *_cor_vs2q.txt を Igor Pro に読み込み,プロットしてみる.

無意味なデータの範囲を wave から削除する.

Igor Pro の Analysis -> Packages -> Multipeak Fitting -> Multipeak Fitting 2 を起動し,Y wave と X wave を選択して,Continue

新しい Window で Auto-locate Peaks Now し,4つあるいは5つほど出てくるピークを Gauss から Voigt に変更.また,Baseline を Cubic に変更.Do fit をクリックして,運がよければ以下のようになる.

注釈
ピークの数が足りないようなら相談すること.
Peak Results をクリックすると,以下のような画面が出てきて,各ピークの Location が2θに対応していると考えられる.例えば,大きな3つのピークに注目すると,23.363, 27.176, 32.752 であることがわかる.

適当なファイル名で保存して,Igor Pro を終了.
補正パラメータの見積
以下は例を示す.
実験室系の Cu Ka1 で測定した XRD パターンの対応するピーク位置は,31.60, 37.14, 45.48 であった.
測定に用いた X 線のエネルギーで換算すると,例えば,11 keV の場合,22.98, 26.94, 32.85 となる.
補正前のピーク位置は,23.363, 27.176, 32.752 であった.
よって,一次関数で補正できるとすると,以下のようになり,A = 0.9471, B = 1.6449 となる.Excel などで行うとよい.

補正の適用
Igor Pro を起動すると,XRD というメニューがある.
XRD -> MakeCoefsConfigPanel をクリックすると,a, b が入力できる画面が出てくるので,自分でも求めた A, B を入力.この場合,A = 0.9471, B = 1.6449
XRD -> PILATUS_XRD_correct から *_cor_vs2q.txt が保存されているフォルダを選択すると,自動的にグラフにプロットされる.

注釈
挙動が気にならなかったら,自分で ImageJ および Igor Pro のマクロを書き換えてください.