Build Qt 5.2.1 64 bit on Windows 7
まとめ
MinGW 64 bit を利用して 64 bit 版の Qt 5 をコンパイルし,これを使って簡単なプロジェクトのコンパイル及び他の PC へのデプロイ方法を紹介します.
前置き
Build Qt 5 from Git を読むのが最も効率がよいと思います.また,以下のポストなどを読む方がよいでしょう.
参考にしたブログなど
テスト環境
Windows 7 Professional 64 bit (日本語版)
MinGW 64 bit (gcc 5.2.0)
Strawberry perl (5.22.0.1, 64bit)
Git for Windows (2.6.3, 64bit)
Qt (5.2.1)
icu (56.1)
必要なソフトのインストール
既にインストールされているソフトを改めてインストールする必要はありませんが,もし,何らかの問題がある場合は,再インストールすると,問題が解決するかもしれません.
MinGW 64 bit のインストール
mingw-w64 の Downloads にある Mingw-builds のリンクから,Web インストーラ,mingw-w64-install.exe をダウンロードして,実行.
Architecture を x86_64 に変更.(Exception が seh になる.)
Destination folder を
C:\Program Files\mingw-w64\x86_64-5.2.0-posix-seh-rt_v4-rev1
からC:\mingw-w64\x86_64-5.2.0-posix-seh-rt_v4-rev1
に変更して,インストール.
- Version
-
5.2.0
- Architecture
-
x86_64
- Threads
-
posix
- Exception
-
seh
- Build revision
-
1
- Destination folder
-
C:\mingw-w64\x86_64-5.2.0-posix-seh-rt_v4-rev1
Git for Windows のインストール
Downloading Git から Git-2.6.3-64-bit.exe をダウンロードして,実行.
インストールオプションは何でも構わないが,例えば,以下の通りに設定してインストール.(但し,USERNAME は Windows のログイン名)
- Destination Location
-
C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Git
- Components
-
Associate... の2つだけにチェック
- Start Menu Folder
-
そのまま
- Adjusting your PATH environment
-
Use Git from the Windows Command Prompt
- Choosing the SSH executable
-
Use OpenSSH
- Configuring the line ending conversions
-
Checkout as-is, commit as-is
- Configuring the terminal emulator to use with Git Bash
-
Use MinTTY
Python 2.7.11 (64 bit) のインストール
Python 公式ページ の Python のダウンロードページ から 64 bit 版の python-2.7.11.amd64.msi をダウンロードして,インストール.その際に,"Add python.exe to Path" のオプションをつけること.
Strawberry Perl のインストール
Strawberry Perl の公式ページから Strawberry Perl 5.22.0.1 (64 bit) をダウンロードしてインストール.
Ruby のインストール
Ruby-2.2.0 (x64) Microsoft Installer Package をダウンロードしてインストール.
環境変数の設定
ユーザ環境変数 PATH に少なくとも以下のものが同じ順序で並んでいることを確認する(但し,USERNAME は Windows のログイン名).これらの path は各ソフトのインストール時にシステム環境変数の PATH に設定されていることがあるが,以降は,システム環境変数からは消して,ユーザ環境変数に設定したものと見なす.
C:\Python27\;
C:\Python27\Scripts;
C:\Strawberry\c\bin;
C:\Strawberry\perl\site\bin;
C:\Strawberry\perl\bin;
C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Git\cmd;
C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Git\usr\bin;
C:\Qt\5.2.1\bin;
C:/icu/lib
ユーザ環境変数 LIB に
C:/icu/lib
を設定する.
ユーザ環境変数 INCLUDE に
C:/icu/include
を設定する.
他のソフトをインストールしている関係で何らかの開発環境が入っているとうまく動作しない可能性があります.
Qt 5 のダウンロード
コマンドプロンプトを開いて,以下の通り,qt5 をダウンロードする.Qt 5 の最新版は,5.6 ですが,ここでは問題なくデプロイできることを確認している 5.2.1 をコンパイルします.init-repository はかなり時間がかかるので,これを待ちながら,次に示す依存ライブラリ icu をインストールします.
icu のダウンロード
icu は,Qt の多言語化機能で利用されている Unicode ライブラリで,翻訳機能を利用している場合は必須.
ICU - International Components for Unicode の Downloads から icu4c-56_1-src.zip をダウンロードして,先の src フォルダに展開.(例えば,%HOME%\src\icu
)
icu のコンパイル
スタートメニューの MinGW-W64 project の Run terminal でコマンドプロンプトを起動.(重要)
Qt 5.2.1 (64 bit) のコンパイル
スタートメニューの MinGW-W64 project の Run terminal でコマンドプロンプトを起動.(重要)
cd C:\Users\USERNAME\src\qt5 set PATH=%PATH%;C:\Users\USERNAME\src\qt5\qtbase\bin;C:\Users\USERNAME\src\qt5\qtrepotools\bin;C:\Users\USERNAME\src\qt5\gnuwin32\bin configure -prefix C:\Qt\5.2.1 -debug-and-release -opensource -confirm-license -platform win32-g++ -c++11 -opengl desktop -nomake tests -nomake examples mingw32-make mingw32-make install